中高生向け自然学校「アンカーズ」、はじまります

29136967_1378141882290407_4318850385067376640_n.jpg

 

日本には47の都道府県がありますが、海に接していないのはそのうち8県だけ。堂々たる島国ですが、子どもたちが四季を通して海に関わることができる場所は、そう多くありません。

サーフィン、ウインド、SUPやライフセービングなど、特定のスポーツを頑張っていくためのクラブで素晴らしいところはたくさんあります。そんな中、スポーツだけでなく、地域の自然で、多様なつながりや暮らしかたを遊び心いっぱいに探索できる場所をと活動してきたのが、小学生対象のとびうおクラブです。

この春、そんなとびうおクラブの先に、新たな活動をはじめます。

様々な海のアクティビティを楽しむ。生き物と出会う。食や暮らしとのつながりを仲間とともに探求する。もちろん、テーマやゴールは個々で掘り下げてOK。そんな中高生向けの活動「アンカーズクラブ」を発足します。

主宰する原伸輔さんと永井巧さんにインタビューをしました。 

(聞き手: 小野寺愛)

27157059_551323961897301_339037555_n.jpg

 

▶︎子どもたちが自由にやりたいことを見つけて、深めていく

中高生向けのクラブチーム「アンカーズ」とは、どんな場になるのでしょうか?

 

原伸輔(以下、しんちゃん):

とびうおクラブは、いい場所として育ってきていると感じています。だから単純に「中学生になったらバイバイ」は寂しい。小学校を卒業しても、大人に導かれてではなく、子どもたちが自由にやりたいことを見つけて、深めていってほしいなと思っています。

 アンカーズでは「こんなこと、あんなことできるよ」ときっかけは投げかけるけれど、結局は「で、今日は何しようか?」と、みんなで活動を作っていく、そんな場にしていきたいですね。

永井巧(以下、たくちゃん):

 海に直接触れる現場、そこでみんな一緒に楽しむことがベースになるよね。時には自分の本意でなかったとしても付き合ったりもする中で、結果、自分の枠を広げる経験につながるようにサポートをできる場ではあると思う。その中から、個々に追求したいこと、時間をかけても実現したいことが生まれていくようなね。

 

▶︎人生は楽しい。それを子どもたちにも伝えたい

海の活動は、中学生からはじめても遅くないでしょうか?

お二人は、いつ、どんなきっかけで海に出会いましたか?

A50P5947.jpg

たくちゃん:

 はじめるのはいつだっていい。僕は小さい頃に溺れてからずっと、海が苦手だったんです。それが、高校生の時にやらされた遠泳教室がきっかけで変わりました。水の中にいるのが気持ちよくて、大学に入ったら、海に関わることがやりたいなと思うようになった。それで、遠泳の先輩のつながりから、まずはライフセービングに出会って。でも、海水浴以外のシーズンには、ライフセイバーは海に入ってない。四季を通して海に入っていたサーファーたちを見て、サーフィンもはじめました。

 大学を卒業して最初の就職先に選んだのは、タヒチでの黒真珠養殖の仕事。朝、モーターをつけて自宅の動力を確保するところから1日が始まります。ものすごく美しい海が目の前にあるけれど、現地の人にとって、海は遊びの場ではなく、暮らしの糧を得る場所だった。そんな経験から、海の関わりかたは本当に色々あるなと学びました。人によっても、環境によっても、関わりかた、遊びかたが違う。

 これからアンカーズに入ってくる中高生たちも、色々やる中で、自分が楽しいと思えるものに出会えたらいいですね。答えはないから、自ら広げていって欲しい。それが、そのまま生きる力になると思うんです。
A50P5857.jpg

しんちゃん:

 僕は、水泳を4歳からやっていて、中学校でも水泳部。大会で勝ちたいというよりは、ただただ、泳ぐのが好きでした。海に出会ったのは大学の海洋学部です。高校生のときは車が好きで、レーシングカーのデザイナーになりたかった。陸のエンジニアになりたかったけれど落ちたことで、サーフィンやヨット、ダイビングに出会いました。

 そして、顧問の先生と先輩のキラキラした目にひかれて、ライフセービングにハマりました。ライフセービングをやりつつ、ひたすら海に出た。サーファーと話をするには、自分がサーフィンを知らなくちゃだめだと。サーフィンも、ダイビングも、色々挑戦する中で、いろんな人に出会いました。どんな趣味でもスポーツでも、エキスパートの人たちは面白い。

 初めは「やらなきゃ」「知らなきゃ」だったはずが、やっているうちに、これも面白いな、あれも面白いなに変わっていきました。だから人生は楽しい。それを子どもたちにも伝えたいですね。

 

▶︎いつでも誰でも立ち寄ることができる場を

海のそばに海に惹かれた学生時代を経て、そのあとは?

しんちゃん:

 大学卒業後は、一般企業に勤めていました。辞めたのは、もっとライフセービングをやりたかったから。当時、日本ではまだ確立されていなかったけれど「ライフセービングで飯が食えるようになりたい」と思っていて。

 オーストラリアでは、どの地域にもライフセービングが根付いています。日本の子どもたちがやっている週末のサッカーや野球のリトルリーグみたいに。子どものライフセービングクラブ「ニッパーズ」では、週末になれば100人以上が活動しています。すごいのは、そこで教えているのが、特別なコーチではなく、親たちだということ。オーストラリア人口の3人に1人はライフセービングの資格を持っている。子どもと一緒に海に入るから、自然とそうなるんですね。

 子どもたちの活動時間中、見守りに入っていない親たちはバーベキューの準備をしています。これには、クラブ外の一般の人も、1皿100円くらいで参加することができる。そんなつながりが日々生まれているクラブハウスを最初に見たときは、カルチャーショックでした。

たくちゃん:

 海のコミュニティーにかかわる場への間口の広さが全然違うよね。クラブハウスに足を運ぶにしても、とっても多様な動機を受け入れられるようになっているというか。ライフセービングのプログラムや艇庫としての利用はもちろんだけど、トレーニングジムとして使う人もいれば、ただカフェに立ち寄る人もいる。

 海とつながる場であり、多世代の人の出会いの場であり、自分なりの関わりがある場だよね。そんな場が日本にもあったらなと、やっぱり思うよね。

しんちゃん:

 そうですね。そんな場を創りたいと思って、20代はガムシャラでした。でも、30代半ばからは風呂敷を広げずに、自分のやれることを一つずつ積み上げていこうと。

 とびうおや西浜(※片瀬海岸、鵠沼海岸で活動するライフセービングクラブ)では、ある程度いい形ができてきていると思うんです。僕が20代の頃にはなかったから、着実に、進んできている。地道に続けていたら、この後の世代で「仕事はライフセーバーです」という若者も出てくるんじゃないかな。
29186177_1378141925623736_5587919942935642112_n.jpg

 

▶︎自分の力ではどうしようもないことを引き受ける力

たくちゃん:

 四季がある日本では、冬はどうしても海で活動するには厳しい面がある。でも、スポーツやリクリエーションだけでなく、暮らしや仕事まで含めて見渡してみると、漁師さんは年間を通して漁をしている。この冬、ワカメの養殖をご一緒させていただたことは貴重な経験でした。

 海のそばの人は、昔は海と関わっているのが当たり前だった。海から食べ物を得て、海で仕事を得ていた。だから子ども達だって、そんな大人たちの周りで海との関わりを学んでいったのだと思う。

 僕たちはいま逗子で、時間軸を遡ることを試みています。海で子どもと遊ぶことで、人と自然のつながりをも取り戻せるんじゃないかという仮説を持ちながら。

しんちゃん:

 とびうおは、保護者も関わるのがいい。「預けて終わり」の習いごとじゃないところが。子どもたちが面白そうだから自分もと、親も一緒に入っていく。

 子どもたちを見て、自分もカヌーに乗ってみようかな、頑張ってライフセービングの資格を取ろうかなと。そういう人が確実に増えているのは、嬉しいですよね。

 僕たちが直接向き合っているのは子どもたちだけれど、大人がいいなと思うからこそ、「おたくもどう?」が生まれて、広がります。いろんな人が関わるから、盛り上がります。

たくちゃん:

 子どもたちの中でも伝え合っているよね。目標とするレースに向けてそれぞれに朝練をはじめたり、放課後に海や山へくりだしていくことが珍しくなくなっている。そこににはクラブに入っていない子たちもいて、クラブでやっていることが外ににじみ出ているのを感じています。

しんちゃん:

 自然の中では、自分の力だけじゃどうしようもない時がある。それも大事。困った時に助け合う気持ちが自然と生まれてくるから。他のスポーツだとチーム競技でも「こういうことに気をつけろ」と誰かが言ってくれます。海だと、言わなくても「困った時はお互いさま」が自然と身につくのがいい。 

 たくちゃん:

 刻一刻と変化する海だからこそ、状況を読み解く力や判断力も磨かれるしね。一人の子どもが変われば、その子の家族、その子の友達と周囲でかかわる何人の人にも影響を与えていく。

 中学生、高校生という、身体が大人に近づく時だけど、海と向き合う中で、たくさん充足感を得てもらえる場にしていたいなと思います。

 

お二人に話を伺い、これからはじまるアンカーズクラブがますます楽しみになりました。

 

以下、募集要項です。

4月4日の体験会&説明会、ぜひご予約の上、ご参加ください!

 

29745555_10160157725365287_1542525355_n.jpg

 

【2018年度 アンカーズクラブ 募集要項】

 アンカーズクラブは、毎月1度、逗子海岸や近郊のフィールドで、朝から夜までどっぷり遊ぶ、中高生向けのクラブチームです。所属メンバーは、平日に開催しているとびうおクラブの活動にも、いつでも自由に参加することができます。

 自然にまみれる。緑のシャワーを浴び、潮に浸かり、肌で感じる 365日の変化。誰かに教わるのではなく、自分のすべてで感じて、学ぶ。 

 やり方は、伝えます。どう遊ぶかは自分次第。教わるのでなく、探して欲しい。聞いていない、見つけられない、では自然の中では楽しむことは出来ない。だから、探してほしい。遊び方を、新しい発見を。仲間の絆や新しい自分の可能性も、きっと見つかる。

 フィールドは地球、楽しさや悔しさを教えてくれる先生も、地球。この地球の上で、こんなにも人間を受け入れてくれる自然が待っている逗子。さあ、思いっきり全身を動かしてみよう!

対象: 中学生、高校生

活動日: 

1)毎月第4土曜日または日曜日(7、8、12、3月の長期休み期間中はイレギュラーとなります)

  ※4月22日(日)、5月26日(土)、6月23日(土)、7月21日(土)は実施決定

2)月〜金曜日のとびうおクラブの実施時の活動参加、および、うみのじどうかんは利用可能

 

実施時間:

1)毎月末の活動 - 朝9時集合〜夕暮れまで

2)平日放課後 - 午後4時〜6時30分頃

 

内容:

4月〜7月    SUP、カヌー、サーフィン、パドリング、素潜り、ほか

8月         伊豆大島にて夏合宿

9月以降は、以下のようなことを想定していますが、あくまでも集まったメンバー主体で決めていきます。

・もったいない水産物を活かそう

・古代の逗子と海のかかわり探る旅

・三浦半島を海でぐっとパドリング&キャンプ

・神奈川の水道水と相模湾の砂の供給源の相模川を水源から海まで川下り

・地元の海の映像づくり

・海とカラダのメカニズムを知ってレスキューの達人になろう

 

コーチ:

原伸輔、永井巧、柏木拓人、山ノ井礼央、とびうおクラブのコーチ、他

 

参加費:

入会金 8,000円(保険料含む)

月会費 6,000円

※合宿、遠征など別途費用が派生します。

※空きがあれば単発参加も可能。詳細は「そっか」FBページ及びホームページにてお知らせします。(要参加費)

 

体験・説明会:

 4月4日(水)13時〜15時 逗子海岸・太陽の塔付近  

  *要予約。海に入ることができる格好と着替えをご持参ください。

お申し込み・問い合わせは: 

 sokka.zushi@gmail.com