コンパスやGPSを使わずに海を渡る方法

うっかり八兵衛です。


夏ですね。

個人的に忘れないよう、まだ熱いうちに備忘録。

一般的には何の役にも立たないかもしれませんが…


どこでも海での事故はつきものです。
未然に遭難を防ぐきっかけになったり、
海でチャレンジする若者や誰かが参考にすることがあるかも。。。と書き記しておきます。
(ちょっと専門的な話で長文になりそうです)

先日、久々に西表島から与那国島まで
直線距離にして約80キロ(実線としては90キロくらい)を
漕いできました。

さて、どうやって年老いてきたオジサンが、
コンパス、GPSを使わず、この海を渡れるのでしょうか?
準備、実践、結果、省察までを記しておこうと思います。

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準備としてやっておく、知っておくべきことはシンプルです。
これはおそらくいつの時代も同じ。


1 自分の能力の把握

例えばこれを陸で考えると…
80kmを休憩なしで歩き続けたら、
身体の具合はどうなるのかを知っておく、とか。

心拍数を100でいくくらいなら、
時間はどれくらい短縮されるけど、
身体の負担はどうなるのか、とか

140なら10キロまでは、
〇〇ペースより早くて快適だけど、
そのペースを80キロまで続けようとすると、
膝が痛くなって到達できないとか。

お尻に制約がないなら、
トータルで考えると歩いていく方が余裕がある、
みたいなこと。

(ちなみに僕は、10キロも走れば左膝外、腸脛靭帯がすぐ傷みだして全くダメダメなヘタレです)

そこにランニングや歩きであれば、靴であったり、靴下、衣類の具合などが加味されていくのでしょうかね。

自転車であったり、カヤックであったり、パドルなど、
その時に使う道具も同じです。

使う道具が増えるほどに、
それも含めた自分の能力の把握が必要なってきます。

これをやっていくと、身体的なことだけなく、
精神面や性格とも向き合うことになってきます。

どんなときに、怖くなるのか、逃げたくなるのか。
以外に頑張れるのはどういうときだったとか、
向き合えるのか、とか。

誰かがこう言っていたから、とか、
高くて良い道具だからとか、
誰が出来たからとか、
俺は誰かより体力があるとか、
早く漕げるから、とかはダメ。

レースや競技と同じように考えてはいけません。
むしろ余計な情報だと思って良いと思います。

☆まずは自分を嘘偽りなく把握。
(これがなかなか難しいのです。自分も出来ていませんが言うは易しw なのだけど、これが自然に向かう時の肝だと思われます)


2 天気、海況を読むこと(出発前、航海中、出発後に気象がどう変わっていくのかetc...)

今の状況がどうして生み出されていて、
次にどういう方向に向かうのか。
何故、北風が吹いていて、明日は静まるのか。
また明後日には荒れてくるのか、といようなこと。

☆向かうべきフィールドを、出来る限り理解すること。


3 1と2を使って、いよいよシュミレーション。

自分の能力を把握したら、それを鑑みて、
行くべき場所のフィールドの特徴、
その時の天候ではどうなるのかを落とし込みます。

今回の場合だとカヤックを使って80キロの海を漕ぐにあたって、
Aの状況なら、こんなで。。。 
Bの状況なら、こんな。。。
Cなら。。。

自分がどれくらいの時間を、
時速何キロで行った場合、どんなになるのか、
ダメになるとすれば、どうなってダメになるから、
事前にどうやって防ごう、とか。

3まで出来ていれば、
やってみましたダメでした、みたいな失敗は減ります。

失敗した場合、
どうしてダメだったかも具体的になってきます。

勿論、どんなに段取りが緻密だと思っていても、
自分の想像力や学びの射程距離を越えている世界に出会ってしまったら、「想定外」のようなことは、起きてしまいます。

ある人からみれば、そんなことは当たり前田のクラッカーでしょ!と思われることも、当事者の意識がそこに向いていなければ想定外。

ワールドカップ、日本VSベルギー戦でアディショナルタイムのコーナーキックで、何故時間を使って自分たちの攻撃で終えられるような形をとらなかったのか!?
(日本は終了間際、高速カウンターを食らって敗戦)

イタリアのカペッロさんは激怒コメントをしていたらしいですが、これもそういう経験値の差でしょうかね。

いつも誰も見たことがない世界に踏み込んでいく人にとっては、未知との連続なことが起きるもの(想定外のことが起きなということは、それだけチャレンジの具合が踏み込み切れてないとも言えます)
これは個々人が何を目指すのかによって、行為の質は変わってくるものなので優劣ではありません。

☆つまり…どちらにしても、1,2,3が出来ていれば、あらゆることが具体化していく、ということが起きます。(想定外が起きるという段取りでさえ)

漫画「北斗の拳」の主人公ケンシロウの決め台詞でもある「お前はもう死んでいる」とはそういうことです。

夢やロマン、冒険みたいなことって、仮にポワンとしたところが始まりであったとしても、実は積み木を地道に組み立てていった末、実践に至るようなものなのだと思います。


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自然を前にしたとき、夢ばかりを語っていても、
1,2,3と書いたような準備、
リアリストへの道を徹底しなければ、
死んでしまうのが怖いところです。

自分にとって大きな航海だろうと、
小さな旅であろうと
ガイドの役割でも準備は似ていて、
多くの場合、こんな段取りをしています。
(単独でなく、複数人数となれば、またやることが複雑で準備にも難しくなっていきます)

ということで、今回はどうだったか。。。を書こうと思いましたが、長くなり過ぎたので、一旦中断。なるはやで次回に致します。

すみません... m(_ _)m



Text by Satoru Yahata