スローフードの祭典にて「海の食育」を発表

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A board member of Sokka Ai Ito Onodera joined Terra Madre Slone del Gusto, a bi-annual Slow Food Festival in Torino for 3 days. This is the place where you enjoy deliciousness from all over the world and hear voices of the grassroots. A presentation on our Edible Education at the sea has been shared at School Gardens panel.

For the first time in an international meeting, we have encouraged everybody to seek a possibility of Edible Education at the sea, and… thrilled to know that the suggestion was well received!!

2年に一度、イタリアのトリノで開催されるスローフード・インターナショナル最大のお祭り「テッラマードレ」の食育セッションにて、そっかが逗子の森里川海の「食べる」活動を紹介しました。

登壇した「School Gardens / 子どもと食育」セッションは、同じような信念に突き動かされている人たちと情報交換し、米国、ルーマニア、オランダ、イタリア、ウガンダの食育と並んで、海のある国ならではの「食べる、作る、遊ぶ」活動を紹介してきました。

印象に残ったことをいくつかシェアします。

・米国テキサス州オースティンから来たトリスターナは、Whole Kids Foundationで働いている。
これまでに600校以上(関わった生徒総数は35万人以上!)の新規学校菜園に助成を出し、運営のアドバイスを行なっている。

・そのスポンサーは、全米にチェーンを持つオーガニックスーパーのWhole Foods Market。資金源のメインは、まさかの、レジ横に置いた募金箱!(各校への支援金額は上限220万円!)

・高校生の農的起業、エディブル教育領域の起業を支援するプロジェクトもある。

・このセッションにも、トリスターナの友人たちが全米から6-7人参加していた。みんな、ガーデン(またはキッチン)の先生たち。畑の先生たちがテッラマードレに来て、熱心に勉強している。資金繰りのうまさといい、フットワークの軽さといい、アメリカの底力を感じる。

▶︎Whole Kids Foundation
https://www.wholekidsfoundation.org

・ヴェネツィアの近隣、トレヴィーソに暮らすミカエレは、普段はコーヒーメーカー大手のデロンギで働いている。アフター5の活動として、地域の小学校に学校菜園を広げる仕事をしている。

・今、地域に200ある小学校のうち70校に学校菜園がある。ミカエレは、菜園運営者たちのトレーニングも行なっている。

・きっかけは、娘たちの学校に畑を作ったこと。土に触れる楽しさを子どもたちにと、仕事帰りに毎日校庭を耕し、いつからかガーデンが子どもたちの居場所になっていった。

・10年前に始めた頃は、学校菜園の意義を先生たちとうまく共有できていなかった。「ちょっと変わった保護者のおかげで花壇がきれいになって助かる」、それ以上でも以下でもない雰囲気だった。

・4〜5年前くらいからイタリアの厚労省や医師たちが「菜園教育を行なっている学校の子どもたちの健康状態、集中力、学力が、そうでない子どもたちよりも良好である。菜園教育を進めるべきである」という研究報告を続々と出すにつれ、先生たちの態度も変わりはじめる。

・ここ数年は、ある先生は音楽の授業をガーデンに車座に座って行い、ある先生は面積を求める授業を畑で行なった。ある先生は図工の作品をガーデンで摘んだ花で製作した。
つまり、先生の理解が深まるにつれ、ガーデンは栽培&調理学習の場だけでなく「アウトドアに教室が一つ増えた」という認識で受け入れられていった。

・「菜園教育を広げる仕事は、僕の情熱であり、喜び。この活動で給料が出ているわけではないけれど、これは僕のライフワークだ。子どもと畑に関わることができて、本当に幸せだよ」

・サマータイムを導入しているイタリアの夏は、5時に仕事を上がってからも3時間近くのあいだ明るい。みんなが稼ぎのための仕事はほどほどに、暮らしに根ざす時間を増やせたら、地域は必ず豊かになるな〜。

・ウガンダでコミュニティー菜園のリーダーを育てるトレーナー、ジャスティーンの話も新鮮。彼女たちの地域では、畑活動の意義は「つながりを生む場所」「いのちの教育」というような漠然としたものではなかった。
 畑は「安心安全で新鮮な野菜を得るためのかけがえのない場」であり「固有種の種を守るためのほぼ唯一の場」として、具体的に機能していた。

・アフリカ大陸では、「地域の伝統農業を守りながらリーダーを育てるのに、コミュニティー菜園ほど適したものはない」として、”10,000 Gardens in Africa” を実施中。
 スローフードインターナショナルの支援で、現在大陸全体で3000以上の菜園が新たに生まれている。

▶︎10,000 Gardens in Africa
https://www.fondazioneslowfood.com/en/what-we-do/10-000-gardens-in-africa-2/?fbclid=IwAR36B0TM50qnramF50lL0ftNXqCNeX_qJUJe1j4ki3QvRY5kSyT-b-cwnn4


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・日本からの報告は、まずは小学生たちが理科で取り組む栽培学習についてや、一般的な学校給食を紹介した。
 統一カリキュラムのおかげで、すべての子どもたちが理科の授業で土に触れ、種から食べ物を育てる体験をしていることについてはマル。でもそれが家庭科の調理にさえつながっておらず、教科横断的に授業をするには先生個人の経験と努力がかなり必要とされることなど、既存の枠組みでの限界にも触れる。

・一方で、と、90年間ものあいだ、最高の食育を行なってきた自由学園の取り組みも紹介。「日本に来るなら必ず見学に行くといい」と同校の取り組みをいくつか紹介すると、会場から羨望のため息が漏れる。

・「そっか」からは、”食育って畑だけじゃない。畑がなくても、身近な海や山でも、放課後の時間にでも、こんなに楽しく「食べる」活動ができるよ” という提案を。

・ワカメの養殖、地大豆たのくろ豆の栽培と味噌作り、野草やタコ・ウニ・ひじきなど季節の恵みの収穫祭の話。足下の自然を遊び抜くことで子どもたち(とその親たち)の心に描かれていく「Bio-regional map / いのちの地図」の話。

・ルーマニアからの登壇者から「美しい写真を見ていて、逗子の子たちはなんてラッキーなのだろうと思ったけれど、違うね。大自然がなくたって、町でだってできること。やろうと言ってはじめる人がいるかどうかだけ。私も故郷ではじめます」というコメントがとても嬉しかった。

▶︎そっか
http://sokka.life

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会場とのやりとりも熱かった。トスカーナで菜園学習に関わる先生は、

「私たちの地域には、年に一度、子どもたちが学校で栽培した収穫物や加工品を持ち寄るマーケットをはじめた。そのマーケットには3000人(!)の子どもたちが出店し、親や地域の人々が子どもの栽培した野菜を購入する。
 それがそのまま翌年の畑の資金源にもなるし、アフリカに学校菜園を増やすための寄付も行う。販売している子どもたちはみんな誇らしい顔をしている」という話をシェアしてくれた。

・カリフォルニア州・バークレーにあるウィラード中学校の先生からの発言。

「バークレーでは20年もの間、どの公立学校にも畑があり、ガーデンティーチャーとキッチンティーチャーが存在していた。ガーデンで行うことができるカリキュラムも、州が独自のものを制作していた。
 ところが数年前、リーマンショックで教育予算カットとなった時、一番に削られたのが畑の予算。食育を諦めざるを得なかった学校も出た中で、ウィラードでは、子どもたちが毎週おかずを作って販売するプロジェクトを開始。その販売額を資金源に、ガーデンの先生を雇用し続けることができている。
 キャリア教育の一環の授業内で、子どもたちが予算を立て、サイトを作成し、広報を行い、毎週のおかずを決め、予約を管理し、調理し、販売している」

▶︎Growing Leaders Program
http://www.growingleadersbayarea.com

・この「子どもによる子どものためのお惣菜屋さん」の話を数年前に聞いてインスピレーションをもらい、今、そっかでも神奈川県の逗子で「子どもレストラン」を主宰している、という話をしたら、ウィラードの先生、それはそれは感動していました。

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たくさんの刺激と共に、

・子どもたちと自然の中で遊び抜く。
・教えようとしない。互いの響き合いを大切に、まず自らが楽しむ。
・多様なものが多様なままあるように、場づくりを工夫する。

…などなど、自分たちなりに地域で試行錯誤することで浮き彫りになってきた軸を確認できました。

感謝!